NPO法人子ども支援地域プラットフォーム 12月学習会報告

発達障害のある子どもへの支援 〜放課後等デイサービスの現場から トラウマケアも視野に入れて〜

日程:2024年12月21日(土)18時-20時

講師
杉下悠真:放課後等デイサービス「かすかべ学園」学園長。本NPO法人理事。
坂本州子:「ファミリーカウンセリング 母親研究所代表。 放課後等デイサービス「セーフ南阿佐ヶ谷」にも所属。本NPO法人会員。

参加者:17人

概要
最初の20分は、杉下悠真氏より放課後等デイサービスの制度や役割について説明があった。放課後等デイサービスは、学校に通っている6歳から18歳までの障害がある子どもに放課後や学校休業日に居場所を提供し、生活や遊び等の中で、5領域(「健康・生活」、「運動・感覚」、「認知・行動」、「言語・コミュニケーション」、「人間関係・社会性」)の視点等を踏まえた、個々の子どもに応じたオーダーメイドの支援を提供する場である。このサービスを利用するには、精神科医の「通所が望ましい」という判断を受けて市町村の障害福祉課が発行する「通所受給者証」が必要になる。
続いて、杉下氏が学園長を務める放課後等デイサービス「かすかべ学園」での学習支援を中心においた支援や保護者支援について報告があった。本来は、コンピュータ活動を中心においた支援を行っている放課後等デイサービス「オンリーワン」の小林翼氏にも実践を話していただく予定であったが、業務上の都合で参加できなくなり、説明部分は杉下氏のみが担当した。
続いて、母親研究所代表でアドラー心理学心理療法士の坂本州子氏の講演があった。幼少期に安定したアタッチメントが形成されていないとトラウマを受けやすい。愛着障害やトラウマによるフラッシュバックなどの症状は発達障害の症状に似ている。さらに、原始反射が消失していないために発達障害様の症状がでてしまうこともある。支援者はこれらの知識を知った上で、トラウマインフォームドケア(トラウマとその影響についての知識を持ち、その知識や情報に基づいた関心・配慮・注意を向けた関わりをすること)の力を身につける必要がある。講演では、トラウマ軽減や原始反射の消失に効果がある、運動を用いた支援についても説明があった。
なお、原始反射については、本間良子・本間龍介著『アメリカ最先端医療の実証 1日2分! 脳幹を鍛えれば子どもの才能はどんどん伸びる』青春出版社、2022年に詳しい。
終了後、同会場で30分程度講師と参加者による交流会が行われ、13名が参加し、熱心な協議がなされた。

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